「人魚のミイラ」の正体解析プロジェクト中間報告

「人魚のミイラ」の正体解析プロジェクト中間報告

※ご注意!この投稿は2年以上前に投稿された記事で現在は情報が変わっている場合があります。

以前もお知らせしましたが本学では「人魚のミイラ」の正体解析プロジェクトを実施しています。このたび中間報告がなされました。

【これまでにわかったこと】
表面観察および X 線撮影、X 線 CT 撮影でえられた画像を解析した結果、以下のようなこ
とが明らかになりました。
上半身は、前方を向く眼窩(がんか)や頭髪、眉、耳、鼻、平爪をもつ 5 本指の腕など、
霊長類を思わせる外観でありながら、その歯はやや曲がった円錐形で肉食性の魚類を想起
させます。
下半身は、背ビレ、腹ビレ、臀ビレ(しりびれ)、尾ビレを有し、ウロコ(櫛鱗、しつりん)に覆われていて魚類の特徴を持っています。外部から観察できませんが、下半身のウロコとは異なる形状のウロコが、腕、肩、首から頬にかけて存在します。人魚から抜け落ちた体毛を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面には、人間や他の哺乳類と同様にキューティクルがあることがわかりました。X 線 CT 撮影による調査では、内臓は確認できず、骨格はアゴ、ヒレおよび尾部で確認できます。
なお、首と背ビレには金属製の針が刺さっていることがわかりました。首の針は内部にあ
り、背びれから刺さっている針は外部からも観察できます。

【今後の予定】
今後は、骨格、爪、毛、ウロコについて、他の生物との比較をおこないます。剥離したウ ロコなどを用いて DNA 分析を実施します。また、いつ頃の時代のものかを明らかにするた めに放射性炭素年代測定を計画しています。さらに、どのような防腐処置が施されているか について、剥離した皮膚片の蛍光 X 線分析を計画しています。 なお、民俗学的な調査は現在継続中でまだ報告できる情報はありません。

中間報告全文はこちら

そして、こちらについて山陽新聞さんやRSK放送さんに取材を受け、なんと山陽新聞さんの記事でTwitterのトレンドにも入りました。うれしい限りです。最終報告が楽しみですね。
山陽新聞さんの記事はこちら
 

以前の記事はこちら↓

「人魚のミイラ」の正体解析プロジェクト始動(2022.02.02)

「人魚のミイラ」の正体解析プロジェクト中間報告
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